カネコアヤノ 武道館ワンマンショーに行った話。

キッドフレシノ「カネコの曲を録った前日に、めっちゃ訳わかんない仕事をしてて。」

 

カネコ「なに訳わかんないって(笑)」

 

キッドフレシノ「とにかく自分にがっかりするような、俺はこれをする為に音楽やってるのかなみたいな仕事をなんとなく受けちゃったのをやってたのよ。

 

だからすごい自分にがっかりしてて。

 

その次の日がカネコのRECだったんだけど。

 

REC録ってて、カネコの声を。

 

 

だいじょぶっぽいっす、みたいな感じになったっす。あの時に。」

 

カネコ「アハハ(笑)。よかったぁ。」

 

キッドフレシノ「でもカネコが現れた瞬間になんかもう安心感が半端なくて。そういう力があるんだと思う。

 

それを、カネコアヤノのファンの方たちは皆さま、そういう安心感を曲から感じてるんだと思いました、その時に。」

 

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気心知れた二人の15分のインタビュー動画が好きなのですが、印象に残ったキッドフレシノの言葉を、ステージに現れた4人を見て思い出した。

 

安心感なのだろうか、もう姿を観ただけで涙がじわじわ溢れた。声は出せないけれど、拍手で出迎える空間も暖かかった。

 

「よろしくね」と一言、それから一曲目の『グレープフルーツ』で始まったワンマンショー、圧巻でした。

 

仕事のストレスを発散させる術を知らない私が(そもそもストレスは発散できないですよね?)、どうにか社会人二年目を生きてこれたのは、イライラを抱えた帰社中の夜道に彼女の音楽を聴いて、「まあ、だいじょぶっぽい」とか「どうでもいいや~」と思えてきたからです。

 

よかったー、仕事頑張ってきてて。しんどいと思ってたのは、それなりに真面目にやってたからなのかなとも思ったり。そう思える機会を大事にしたい、なるべく作っていきたい。

 

ライブの話に戻ると、曲間のMCはなく、アンコールで戻ってきてからが唯一。

 

本公演の写真集と映像作品が今春発売されることが発表される。

 

前日にマネージャーがその宣伝チラシを7.000枚刷ったこと、「それってすごいことでしょ?」と言い、

自分が二人いて、一人が武道館でライブしてて、もう一方の私がいて焦ってて...というような夢の話(たしかこういう内容でした)を楽しそうに話したあと、生中継でテレビ放送されていることを思い出し恥ずかしがる。そんな姿が、アーティストという存在からぐっと近く彼女を感じることができたのがとても良かった、なによりも可愛いかった。

 

本当に歌う姿とそれ以外では人が変わったよう。

どちらも好きです。

 

今日来てくれたことが嬉しい、また会いましょうと言ってくれたり、何度もありがとうと言ってくれた。

「大変なこともあるけど、今日も明日も生きていくこと、それは正しいです」と言い切れる力。誰もが言える言葉じゃないし、誰かが言って力を宿す言葉でもない。

 

生きていこう。生活をちゃんと送ろう。真面目に。でも気付かないうちに息が詰まって苦しくなったら、手を抜こう。時にはテキトーに不真面目に、そうやってうまく生きていけたらいい。

 

しんどくてどうしようもなくなったら、この日のことを思い出して、今日を生きよう。

 

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2021年11月29日 東京都千代田区日本武道館にて。